駐輪場経営は、土地活用方法として、選びやすいものであると言われています。なぜなら、初期費用や、設備維持代がそれなりに安く、低コストで運営できるのに加えて、うまくいけば安定した収益が得られるからです。
何かを経営しているときには、利回りが気になります。利回りが高ければ高いほど、入ってくるお金も大きくなるため、利回りを高くしたい、と思う方は多いです。では、駐輪場経営では、利回りを40%以上にできるのでしょうか。
2つの利回り
利回りには、2つあります。表面利回りと、実質利回りです。
表面利回り
表面利回りは、年間の賃料と、初期費用があれば、算出できるものです。具体的には、
表面利回り(%)=(年間の賃料÷初期費用)×100
という式を用いて、求めることができます。
年間の賃料とは、今使われている分の賃料ではなく、満車になったときの賃料収入を数値として用います。初期費用としては、土地の値段や、設備や看板を設置するお金や、運営会社に委託するお金を足し合わせたものを数値として用います。大体の利回りを計算することができる表面利回りですが、しかし、あまり正確ではない、と言われています。
実質利回り
実質利回りは、表面利回りよりは正確である、と言われています。算出方法は、
実質利回り(%)=((年間の賃料-管理費)÷初期費用)×100
という式を用いて、求めることができます。
管理費とは、機械の故障や、何かしらのトラブルが発生したときに、かかってしまうお金のことを言います。それを含めて考えている点が、表面利回りより正確である、と言われている理由です。
駐輪場の利回りを具体的に考える
駐輪場の利回りを、具体的に考えてみましょう。駐輪場には、月極駐輪場と、コインパーキングという2つの方式があり、月極駐輪場は、月単位で利用者の方からお金をいただくのに対し、コインパーキングは、時間や日単位でお金をいただきます。それぞれ、利回りを考えてみましょう。
月極駐輪場
月額は、1000円から3000円ほどが相場です。月額2000円と仮定して、50台埋まったとしましょう。そうすると、年間の賃料は、2000×50×12=120万円となります。初期費用として300万円を払った、とすると、表面利回りは、120万円÷300万円×100=40%となります。
コインパーキング
日額100円としましょう。年間の賃料は、日額100円×50台×30日×12ヶ月=180万円となります。よって、表面利回りは、180万円÷300万円×100=60%となります。コインパーキングは、日によって利用者の数が代わるため、収入は安定しませんが、利回りだけ見れば、コインパーキングのほうが月極駐輪場よりも高いです。
まとめ
駐輪場の利回りを高めるためには、初期費用を安くしたり、できるだけ多くのお客様に利用していただけるように、良い土地を選んだり、相場に合った料金に設定したり、という努力が必要です。駐輪場経営は、土地活用方法の中では、メリットが大きく、リスクが小さいものであるため、ぜひ考えてみてください。